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【if】~もう少しだけアイツと一緒にいられたら~ 第2話

もう少しだけアイツと一緒にいられたら 小説

【if】~もう少しだけアイツと一緒にいられたら~ 第2話

今日から中学校生活が始まる。
いつもより早く目が覚めた朝。
転校することが無くなり、アイツやみんなと同じ中学に行ける。

着慣れない学生服に袖を通し、身支度を済ませて家を出た。

 

身長が伸びることを想定したブカブカの学生服。
履き慣れない学生シューズに、持ち慣れない学生かばん。
全てが新鮮な1日。
唯一小学生と同じことは、中学校が小学校のすぐ近くで、通学路が同じということ。

 

通学途中、アイツのアパートが見えてきた。
そう思うと、自然と足早になっていく。

アイツのアパートの前を通りながら、
「(アイツはもう出たかな?)」
アイツ
の制服姿や学生生活に期待しながら、学校に向かった。 

 

「勉強が難しいんだろうなぁ~」
「部活は大変なんだろうなぁ~」
中学校が近くなるにつれ、緊張とワクワクが増していく。
中学生活のイメージと言えば、好きなマンがのひとつ、あだち充作品の「タッチ」。
双子の上杉達也・和也兄弟に、浅倉南。
いろいろと考えているうちに、中学校に着いた。

 

校門を通ると、小学校からの友達だけでなく、もう一つの小学校出身の見知らぬ生徒もいた。
「何組かなぁ?」
クラスを確認していると、後ろから声を掛けられた。
「あ、緒川じゃん。」
振り返れば、制服姿のアイツだった。
照れを隠しながら、
「友野かぁ。おまえ、何組?」
「2組。緒川と一緒じゃね。」
「友野と同じクラスかよぁー。」
嬉しくてたまらない状況ではあるが、照れて、嫌がって見せる。

緒川佳充
  ・
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友野恵梨奈

一緒に下駄箱に向かいながら、あいつが茶化してくる
「緒川、七五三みたいじゃね。」
「うるせぇなー、友野もじゃろ。」
こんな茶化し合うような関係は、小学生の頃と変わらない。
だからいい。
そう思いながら教室に入り、自分の席に着いた。
「(アイツと同じクラスだったー!)」
中学校入学から、良いスタートが切れた。

 

担任の先生が教室に入ってきて、
「これから入学式が始まります。出席番号順に廊下に並んでください。」
体育館に入り、入学式を済ませた後、再び教室に戻った。
教室では、クラスメート全員の自己紹介が行われ、初日を終えた。
すぐに新たな友達もでき、楽しい中学校生活が始まった。
 

 

数日後、部活選びが始まった。
俺の身長は150cmくらいで、背の低い方であったが、走ることには自信があり、中学校では陸上部に入ることを決めていた。
「もっと速く走れるようになりたい。あと、モテたい。」
中学生らしい動機だ。 
「(アイツは何部に入るんじゃろ?)」
と思いながら、陸上部の先輩たちや顧問の先生を待った。

「(足の速そうなやつがいるな)」
とキョロキョロ見ていると、女子の集まりの中に、アイツがいた。
「(え?アイツも陸上部?)」
俺が驚いているところに、アイツも俺に気付いた。

 

「緒川も陸上部なん?」
「おぅ、友野も?」
「うん。そっかぁ。緒川って足速いもんね?でも緒川には負けんよ。」

アイツの身長は160cmくらいで、俺よりも背が高く、アイツも足が速かった。
50m走では負けなかったが、100m走で負けたことがある。
まさか、アイツも陸上部に入るとは思ってもみなかった。
アイツの動機は分からないが、とにかく嬉しかった。
1年生は基礎体力作りで、走り込みや筋トレが多く、きつかった。
それでも、アイツと部活まで一緒になったことで、楽しい部活動だった。

朝練、授業、部活動と一緒に過ごす時間帯が多かったことが幸いした。
学校生活を共にするだけでなく、登下校の時間帯も同じで、一緒に登下校することが自然と多くなったが、決して恋人同士になったわけではない。

私は、小学生の頃からアイツが好きだった。
友達の大半も、アイツのことが好きで、ライバルが多い。
それに、アイツが誰を好きなのかも分からない。
もしかしたら、付き合っている人がいるのではないか?
思春期真っ只中の俺。
俺とアイツはこれからどうなるのか?
乞うご期待。

 

第3話

【if】~もう少しだけアイツと一緒にいられたら~ 第3話
中学校生活にも慣れた5月。授業にも部活動にも慣れ、新しい友達や部活の先輩とも良い人間関係を築いている。陸上部に入り、走り込みや筋トレなどの基礎体力作りにも慣れてきた。中学生に対してのハードルの高さも、いざなってみればこんなものかと、小学生の延長のように過ごしていた。

 閲覧ありがとうございました。

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