PR
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします。

【小説】if ~もう少しだけアイツと一緒にいられたら~ 第12話

恋愛小説

【小説】if ~もう少しだけアイツと一緒にいられたら~ 第12話

 中学校に進学し、あいつとの距離を縮めた私。
 教育実習で来た大学生のお姉さんは、私のような思春期の中学生には刺激が強い。
 中学生になったばかりの女子とは、色気が違う。
 そして、肉体的にも。
 女子からの冷ややかな目とは裏腹に、男子は皆、大人の女性の魅力に釘付けとなっている。
 私も例外ではない。

 

 それが原因なのか分からないでいる私は、あいつと距離が出来てしまった。
 あいつから怒られ、軽蔑され、口もあまり聞いてくれなくなった。
 中学校生活初めての中間テストの答案用紙が帰って来る。
 あいつと成績を競っていたのだが、あいつに話しかけられずにいる。
 テスト結果は、私にとっては上々だったのだが、あいつの結果は分からない。

 あいつには、川中さんという陸上部で一緒の仲の良い友達がいた。
 陸上部では、中長距離が得意だった。
 私も、川中さんとは普通に話す友人だった。
 「友野とケンカしたん?」
 「別にしとらんのじゃけど...。」
 「緒川君って、教育実習生の人と仲良いじゃろ?」
 「普通に話してとるだけじゃけよ。」
 「男子はみんな、鼻の下伸びとるもん。」
 「ホンマ?」
 「緒川君も、デレデレじゃもん。」
 「そんなこと、ないじゃろ?」
 「友野、気にしとるみたいじゃよ。」
 そう言われて、嫌われてしまったのかも知れないという危機感を抱いた。

 

 あいつと目がよく合う。
 それは、私があいつのことを見ているからなのだが。
 でも、すぐに目をそらされてしまう。
 「川中さん、俺、友野に嫌われとるん?」
 「そんなことはないじゃろうけど...。好きなん?」
 「いやぁーそのー」
 「やっぱ、好きなんじゃね。見てれば分かることじゃけど。」
 「内緒じゃよ。」
 「バレバレじゃよ。みんな知ってると思うんじゃけど。」
 「えー!もしかして友野も知っとるん?」
 「どうじゃろうね。友野はそういうの疎いけぇ、分かってないじゃろ。」
 「そっか。」

 

 川中さんに話を聞いてもらいながら、あいつを離れたところから見ているだけの私。
 同じ教室にいても、距離を感じる。
 授業中もあいつのことを考えていたが、どうすることもできないでいる。
 そうこうしているうちに、その日の授業は終わってしまった。

 部室に行き、着替えを済ませた後、グラウンドで柔軟体操が始まった。
 二人一組でやるのだが、気付けば、私には相手がいなかった。
 どうしようかと困っているところ、教育実習生のお姉さんがグラウンドに来た。
 「緒川君、柔軟体操の相手おらんの?」
 「はい。でも一人でもできるけぇ。」
 実はこの時、女子の中でも相手がおらず、ひとりで柔軟体操している部員がいた。
 「友野、柔軟体操の相手おらんのじゃろ。緒川君もおらんくて困っとるよ。」
 女子の中であいつにも、柔軟体操の相手がいなかった。
 川中さんに背中を押されたあいつと、柔軟体操をすることになった。


 気まずい空気が流れる中、声をかけた。
 「友野、テストどうじゃった?」
 「まぁまぁ良かったよ。緒川は?」
 「出来てたよ。友野のおかげじゃね。」
 「来週、順位発表あるんよ。緒川には負けんよ。」
 「じゃぁ、勝負な。」

 

 柔軟体操を終えると、先輩が近づいてきた。
 「ふたりとも走ってこい!」
 「はい!」
 きっと、先輩が気を使ってくれたのだろう。
 陸上部には、決められたコースがある。
 学校の周りの一周1kmのコース。
 ふたりで走りに行く。

 「美人の先生が来て、嬉しいんじゃろぉ。」
 「別に...。」
 「デレデレしとったもん。」
 「そんなことないじゃろ。」
 「デレデレしとったよ。」
 「しとらんよ。俺、好きなやついるし。」
 「誰、誰?」
 「友野には言えんよ。」

 「言わんから、誰なん?」
 「友野はどうなんよ?」
 「おるよ。」
 「誰なん?」
 「内緒じゃよ。」
 ラスト100mはダッシュして終えた。

 あいつの好きな人は誰なのだろう?
 知りたい気持ちと裏腹に、知るのが怖いという気持ちもあった。
 筋トレ、短距離ダッシュを終えた後、
 「テスト週間明けじゃけぇ、今日はこれで終わりにするけぇ。」
 部長に言われて、今日の部活は終わった。

 部室に戻り、着替えていると、
 「仲直りできたんか?」
 「話はしたんじゃけど...。」
 「彼女と仲ようせぇよ。」
 「いや、彼女じゃないんで。」
 「何照れとるんや。デートしよるんじゃろが。」
 「デートじゃないですけぇ。」
 「一緒に遊んどるって聞いたぞ!」
 「...。そんなことないです。」

 先輩に冷やかされた後、部室を出ると、あいつがいた。
 一緒にグラウンドを通り、校門を出た。

 自然と一緒に下校しているあいつと私。
 話す内容は、男友達と変わらない。

 あいつの笑顔に、改めて惚れ直す私。

 

 中間テストが終わり、部活動再開直後のハプニング。
 あいつが好きな人とは誰なのか?
 もしかしたら、付き合っている人がいるのではないか?
 それは次回で。
 

第13話はこちら↓

【小説】if ~もう少しだけアイツと一緒にいられたら~ 第13話
【小説】if ~もう少しだけアイツと一緒にいられたら~ 第13話  小学生の頃からあいつが好きな私。  その気持ちに気付いていないであろうあいつ。  中学校生活が始まって2ヶ月が経ち、一緒にいることが増えた。  距離が縮まったようで、まだま...

*****************
  中年独身男のお役立ち情報局
  Friends-Accept by 尾河吉満
*****************

タイトルとURLをコピーしました