第03話 連絡を待っている時間！
今日は、探偵事務所に捜索依頼の成功報酬を振り込んだ。
あいつを探し出してくれた報酬だ。
運良くあいつを見つけ出してもらい、探偵に連絡先を渡してもらった。
あいつから連絡をもらうことができ、あいつの連絡先も知っている。
出来過ぎの結果だ。
探偵事務所に捜索を依頼した際、相談員の女性から、
「最悪の場合、亡くなっていることもあるので、覚悟して下さい」
と言われ、それだけは是が非でも避けたいことだった。
相談員に私の連絡先の書かれた名刺を渡し、後のことはすべて探偵事務所に託した。
結果を待っている間、いろいろなことを考えていた。
見つかるだろうか？
連絡先を受け取ってもらえるだろうか？
と不安ばかりだった。
探偵事務所から連絡が来る前に、あいつからショートメールが届いたことは衝撃的だった。
正直、この展開は想像していなかったからだ。
若い頃、気になる女性に連絡先を渡して、連絡をもらった時の感情そのものだった。
素直に嬉しかった。
あいつからのショートメールに返信してから2日が経ったが、返信は来ていない。
家庭を持った既婚者なのだから、頻繁に連絡を取り合えるわけもない。
結婚して幸せな家庭を築いているだろうと思っているが、あいつから直接それを聞きたい。
想いを伝えられなかったという後悔はあるものの、今更その気持ちを伝えるつもりはない。
ましてや不倫や略奪愛など求めているわけではない。
あいつが今幸せだと言ってくれるなら、それだけで私も幸せなのだから。
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依頼して良かった。
30年以上前に、離れ離れとなったあいつを探し出してくれた「さくら幸子探偵事務所」
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