小説三国志

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【歴史小説シリーズ】三国志 第二話⑥ 陰謀と権力争い

「精鋭五千をお貸し頂ければ、禁裡に斬り込んで新君を冊立し、宦官を誅滅して朝廷を清め、天下を安んずることでありましょう。」司徒の袁逢の子で、袁隗の甥、司隷校尉を務める袁紹、字を本初である。何進は喜んで近衛軍五千を動員し、何顒と荀攸と鄭泰ら重臣三十人を引き連れ、宮中に入った。
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【歴史小説シリーズ】三国志 第二話➄ 霊帝崩御

中平六年(189年)夏、霊帝は病状が悪くなり、後事のことで大将軍の何進を宮中に呼んだ。この何進の妹が宮中に入って貴人となり、皇子辯を産み、皇后に立てられている。霊帝は、王美人は寵愛し、皇子協が産まれた。これを嫉んだ何皇后は、王美人を毒殺し、皇子協は董太后の御許で養われている。
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【歴史小説シリーズ】三国志 第二話④ 平原県令

黄巾の乱は鎮圧されたものの、乱れたままの漢王朝。張譲や趙忠を始めとした十常侍は大権をわがものとして、黄巾の乱で軍功のあった者に対して賄賂を強要し、従わない者を罷免していた。皇甫嵩や朱儁は当然の如く応じなかったために罷免され、趙忠が車騎将軍に任じられ、十常侍の十三人がみな列候の封ぜられた。
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【歴史小説シリーズ】三国志 第二話③ 督郵

劉備が安喜県に赴任して政務をとり始めてからというもの、民は安心して暮らしを送ることができるようになり、民たちは劉備をとても慕っていた。今日も村を巡回する劉備たちに、 「これはこれは劉備様。毎日のお勤め、誠にお疲れ様でございますだぁ。」
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【歴史小説シリーズ】三国志 第二話② 安喜県の県尉

体はまるで虎、腰は熊のような体格をしたこの漢(おとこ)は、姓名を孫堅、字を文台といい、孫氏の末裔を称している。十七歳の時、商人から金品を強奪した海賊を討伐した功により、校尉に推挙された。その後、許昌という者が陽明皇帝と称して、子の許韶と反乱を起こしたが、孫堅はこれを鎮圧。
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【歴史小説シリーズ】三国志 第二話① 黄巾の乱鎮圧

張飛は激高し、刀を振りかざし、董卓に斬りかかろうとしている。この董卓、字は仲頴といい、河東郡の太守である。「あの者は、おかみに仕える役人だ。やめるんだ、翼徳!」 「玄徳兄者、あんな奴を生かせておけば、この先、あいつに従わねばならん!俺にはそんなことはできん!兄者たちがここに留まるなら、俺は出て往く!」
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【歴史小説シリーズ】三国志 第一話⑨ 新任の董卓

「おぉっ、玄徳・・・。」「盧植先生!これはいったい・・・。」「わしは、張角を取り囲み、追い詰めるところまではいったのだが、どうしても打ち破れずにおったのじゃ。このような大事な時に、朝廷から黄門の左豊が軍事視察に遣わされ、わしに賄賂を求めてきよった!」
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【歴史小説シリーズ】三国志 第一話⑧ 曹孟徳という漢(おとこ)

祖父は中常侍曹騰、夏侯氏から養子となった曹嵩を父に持つ。権謀術策に長け、機知に富んだ曹操はかつて、橋玄や何顒から人物を認めらていた。許劭のもとを訪れた曹操は、「そなたは、治世に至っては能臣、乱世に至っては奸雄じゃ!」と評価され、喜んだ。
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【歴史小説シリーズ】三国志 第一話⑦ 広宗に向かう劉玄徳

鄒靖と別れて、青州から盧植のいる広宗へ急ぐ義勇軍。率いる劉備は、盧植の身を案じながら、昔のことを考えていた。劉備という漢(おとこ)は中山靖王の劉勝の血筋で、その一族が涿県に残ったという。父は劉弘であるが、劉備が幼い頃、若くして亡くなってしまった。
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【歴史小説シリーズ】三国志 第一話⑥ 三人の英雄ここに起つ

「涿県に賊軍が侵攻してきましたー!」との知らせに太守の劉焉は、校尉の鄒靖に迎え撃たせるよう命を下した。「早速だが玄徳殿、参陣をお願いしたい!」劉備ら三人は兵五百を率いて、黄巾の賊将程遠志の兵五万と山麓で対峙した。