三国志 第一話④ 「黄巾の乱」
信徒はますます増え、張角は三十六の方を立てた。
大方は約一万、小方を六・七千とし、それぞれに頭目を置き、将軍を名乗らせた。
中原八州の家々の大門には『甲子』と書きつけさせ、張角を祭って崇め尊んだ。
張角は遂に動き出す。
使徒の馬元義を遣いにやり、宦官のひとりである封諝に賄賂を渡して内応させた。
張角は二人の弟を呼び、
「もはや民心は我らにあり、天下を取る時が来た。この機を逃すまいぞ!」
こうして密かに黄色の旗を作らせ、一斉蜂起の期日を定めた。
同時に弟子の唐周に書面を託し、封諝に蜂起のことを伝えさせようとしたのだが、唐周は朝廷に謀反のことを密告してしまった。
帝は大将軍の何進に軍を率いさせ、馬元義のもとに差し向けて打ち首にし、内応した封諝を投獄した。
蜂起が明るみになったことに焦った張角は自らを天公将軍、次兄張宝が地公将軍、末弟張梁が人公将軍と称して急いで兵を挙げた。
「漢の命運は尽き、大聖人が現れた。皆の衆、天に従い、太平の世を楽しもうぞ!」
四方の民衆は黄色の布を頭に巻き、集まった叛乱軍は総勢四・五十万に膨れ上がり、官軍は戦わずして逃げ出した。
大将軍の何進は帝に奏上して、各地の防備を固めさせ、叛乱軍を討伐するよう詔をお願いし、中郎将の盧植、皇甫嵩、朱儁を三方面に派遣して精兵を率いさせ、討伐に向かわせた。
叛乱軍は幽州の地を侵そうとしていた。
太守の劉焉は、校尉の鄒靖を呼び、善後策を練ようとすると、
「反乱軍は多く、我が軍は手薄でございます。一刻も早く兵を募り、戦に備えましょう。」
と鄒靖が言うと、劉焉はその意見を受け入れ、直ちに義勇兵募集の高札を出させた。
涿県にも高札が立てられ、のちに三人の英傑が出会うことになる。
第一話⑤
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