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【ネタダジャレ】というZ世代のコミュニケーション | オヤジギャグとの違い

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Z世代のコミュニケーション | ネタダジャレとオヤジギャグの違い ビジネス教養と時事ネタ
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中年となった私。
年配の上司が発する「オヤジギャク」にうんざりしていたのは過去のこと。
センスのない「オヤジギャグ」でドン引きされることも...。

最近では、Z世代の若者を中心に「ネタダジャレ」と呼ばれる新しい言葉遊びが流行しています。

これは、「ダジャレ」や「オヤジギャグ」とは違い、現代のコミュニケーション環境に適応した進化形と言えます。

そこで本記事では、

  • ネタダジャレの定義
  • 具体例
  • 従来のオヤジギャグとの決定的な違い
  • Z世代のコミュニケーションに与える影響
  • ネタダジャレが「共感」を生み、オヤジギャグが「スベる」メカニズム

を社会心理学の観点から深掘りして解説します。

寒いオヤジギャグから卒業し、センスのあるネタダジャレを習得しよう!

 

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「ネタダジャレ」の正体 | 進化した「ネオダジャレ」

Z世代が使う「ネタダジャレ」は、調査研究において「ネオダジャレ」として定義されています。

音の類似性で笑いを取ることを目的とした従来のダジャレから、より実用的で知的な要素を取り入れた言葉遊びへと進化したものです。

日常で使いやすい「便利なダジャレ」

ネオダジャレは、「了解」や「ヤバい」といった、テキストコミュニケーションで頻繁に使用されるフレーズに、言葉遊びを組み込むのが特徴です。

これにより、無機質になりがちなテキストでのやり取りに、ちょっとしたユーモアや楽しさを手軽に加えることが可能になりました。

 

教養やセンスを表現する「知的なダジャレ」

固有名詞や専門用語を言葉遊びの元にすることです。

例えば、「了解道中膝栗毛」は、江戸時代の滑稽本「東海道中膝栗毛」を、「ヤバ杉謙信」は戦国武将の「上杉謙信」を引用しています。

このように、歴史や文化に関する知識、教養センスをさりげなく表現する要素が含まれている点が、ネオダジャレがZ世代に評価される理由の一つです。

 

ネタダジャレの具体例

Z世代の「ネタダジャレ」は、SNSやチャットで使用され、ユニークな表現が特徴です。

ネタダジャレ 元の言葉 意味・用途 特徴
了解道中膝栗毛 了解
東海道中膝栗毛
「了解」を伝えるユーモラスな表現 固有名詞を活用した「便利なダジャレ」
ヤバ杉謙信 ヤバい
上杉謙信
「ヤバい」という感情を強調する表現 固有名詞を活用した「知的なダジャレ」
やばたにえん ヤバい
永谷園
「ヤバい」という感情を強調する表現 企業名をもじった「知的なダジャレ」
あざ丸水産 ありがとう
マルハニチロなど
「ありがとう」を伝える際のユーモラスな表現 企業名をもじった「便利なダジャレ」
ほんmoney! 本当に
money(お金)
感謝や強調の意味で使われる 英語と日本語を組み合わせた造語
きまZ 気まずい
Z
「気まずい」を意味する若者言葉 音とアルファベットを組み合わせた造語
おいD おいしい
D
「おいしい」を強調する表現 アルファベットを音階に見立てた造語

ネタダジャレは、言葉遊びに留まらず、流行語やインターネットミームの要素を取り入れ、常に新しさを追求しているのが特徴です。

 

オヤジギャグとの決定的な違い

「ネタダジャレ」と「オヤジギャグ」は、言葉遊びという点では共通していますが、その本質と受け取られ方には大きな違いがあります。

比較項目 ネタダジャレ(ネオダジャレ) オヤジギャグ
使用シーン SNS / チャット 対面での会話
目的 無機質なテキストにユーモアとセンスを織り込む 場を和ませる(「寒い」と受け取られることも)
受け取られ方 20代の使用率が高く、肯定的に受け入れられる傾向 年代が上がるほど「面白くない」「時代遅れ」と否定的な傾向
ネタの鮮度 流行語や固有名詞を取り入れ、新しさを重視 定番化しており、古さを感じさせるものが多い
背景 ラップ・言葉遊びネタの流行、テキスト文化の発達 昭和・平成初期のコミュニケーション文化

オヤジギャグが「寒い」と敬遠されるのに対し、ネタダジャレは、Z世代のコミュニケーションにおいて「センスが良い」「面白い」と評価されています。

ネタダジャレが、「相手の反応よりも言っているとき、自分が一番楽しい」という、自己表現の側面を強く持っていることにも起因しています。相手に強制するのではなく、あくまで自分のユーモアとして楽しむ姿勢が、多様性を重んじるZ世代に受け入れられているのです。

 

Z世代のコミュニケーションにおけるネタダジャレの役割

ネタダジャレ(ネオダジャレ)は、流行語ではなく、Z世代のコミュニケーション環境と心理に深く根ざした、重要な役割を果たしています。

テキストコミュニケーションの「温度調整」機能

Z世代のコミュニケーションは、チャットやSNSなど、テキスト中心が主流です。テキストは感情やニュアンスが伝わりにくく、誤解や反感を生みやすいという課題があります。

ネタダジャレは、無機質なテキストに「ちょっとしたユーモア」を織り込むことで、コミュニケーションの「温度」を上げ、親密さや遊び心を表現します。

例えば、単に「了解」と送るよりも、「了解道中膝栗毛」と送る方が、相手への親愛の情や、会話を楽しむ姿勢が伝わり、心理的な安全性を確保する機能を持つと言えます。

 

仲間内での「共感」と「帰属意識」

ネタダジャレは、インターネットミームや内輪の流行と強く結びついています。
特定のネタダジャレを共有し、その背景にある知識や文脈を理解し合えることは、「このコミュニティに属している」という帰属意識を強めます。

固有名詞や時事ネタを取り入れた「知的なダジャレ」は、そのネタを理解するための共通の知識(教養や情報感度)を必要とするため、仲間内でのフィルターとして機能し、連帯感を深めます。

 

「ネガティブな感情」を笑いに転換

Z世代は、社会の不確実性や上の世代の価値観への反発などから、ネガティブな感情を抱きやすい傾向があると言われています。

ネタダジャレを含む言葉遊びは、ネガティブな状況や感情を「笑い」に転換する独自のコミュニケーション文化を形成しています。

「きまZ(気まずい)」のように、ネガティブな感情をユーモラスに表現することで、その感情を共有し、緩和する効果があります。これは、世の中の理不尽さや気まずさを、言葉の力で乗り越えようとするZ世代の知恵とも言えるでしょう。

 

【社会心理学で比較分析】「共感」と「スベり」のメカニズム

ネタダジャレが「共感」を生み、オヤジギャグが「スベる」メカニズムは、内集団(in-group)と外集団(out-group)の概念、ユーモアの表出動機の違いから、社会心理学的に説明できます。

比較項目 ネタダジャレ
(内集団ユーモア)
オヤジギャグ
(外集団ユーモア)
社会心理学的機能 内集団の境界線の確認と帰属意識の強化 自己呈示(場を和ませたいという意図)の失敗
「共感」/「スベり」のメカニズム 「共通の知識」の確認による内集団バイアスの強化。ネタの理解=仲間であることの証明。 「知識レベルの差」や「文脈のズレ」によるユーモアの面白さの減少。
ユーモアの表出動機 関係性の向上・維持(仲間との連帯感の強化) 自己満足、場を和ませるという一方的な意図
結果 心理的安全性の向上、社会的支援の増加 場の空気の凍結、発信者へのネガティブな評価

 

ネタダジャレが「共感」を生むメカニズム | 内集団バイアスの強化

知的なダジャレは、そのネタを理解するために特定の知識や文脈を共有している必要があります。

社会心理学では、人は自分が属する集団(内集団)を肯定的に評価し、他の集団(外集団)を否定的に評価する内集団バイアスを持つことが知られています。

ネタダジャレは、「共通の知識」を必要とすることで、内集団の境界線を明確にする機能を持つと言えます。ネタを理解し、笑えることは、「自分たちは同じ内集団に属している」という証明になり、帰属意識と連帯感を強化します。ユーモアの共有は、チーム内の一体感を醸成し、信頼関係の構築につながるという研究結果も、このメカニズムを裏付けています。

 

オヤジギャグが「スベる」メカニズム | 文脈のズレと外集団認識

オヤジギャグが「スベる」のは、下記の社会心理学的要因によるものです。

  1. 文脈のズレ(知識レベルの差):オヤジギャグは、時代遅れの定番ネタや、中高年世代特有の知識に基づいています。このため、Z世代などの受け手にとっては「伝わらない」ことが多く、ユーモアとして成立しません。これは、ユーモアの面白さが、発信者と受け手の共通の文脈に依存するという原則に反します。
  2. 外集団からの発信:オヤジギャグは、権威を持つ上の世代(外集団)から、関係性の向上を目的としない一方的な自己呈示として発せられます。社会心理学の研究では、同じユーモアでも、外集団からの発信と認識されると、面白さが減少することが示されています。受け手は、ユーモアを「内集団の連帯を強めるためのもの」ではなく、「一方的なコミュニケーションの押し付け」と認識し、「寒い」というネガティブな感情につながるのです。

 

Z世代以外の世代への受容と拒否

ネタダジャレは、Z世代の文化として生まれましたが、その受容は他の世代によって異なります。

ミレニアル世代(Y世代)の受容 | 理解と共感の可能性

ミレニアル世代(30代〜40代前半)は、インターネット文化の黎明期を経験しており、SNSやテキストコミュニケーションに慣れている。ネタダジャレの元ネタに関する知識レベルの差が少なく、SNSを通じてミーム性の高いネタにも触れる機会が多い。

この世代は、オヤジギャグの「スベる」構造を理解しているため、ネタダジャレの「TPOをわきまえたユーモア」を肯定的に受け取りやすい。そのため、ネタダジャレは、ミレニアル世代にとって「新しい言葉遊び」として比較的スムーズに受け入れられ、「若者文化への理解」を示すツールとして利用される可能性もある。

 

X世代(バブル世代・団塊ジュニア世代)の受容 | 拒否と外集団認識

X世代(40代後半〜50代)は、オヤジギャグの発信者層と重なる部分があり、テキストコミュニケーションよりも対面コミュニケーションを重視する傾向が強い。

この世代にとって、ミームや略語は知識レベルの差が大きく、「伝わらない」ことが多い。ネタダジャレは「若者(外集団)の言葉」として認識され、ユーモアを理解できないことが、「自分たちの文化ではない」という外集団認識を強める。オヤジギャグが「スベる」原因である「文脈のズレ」が、ネタダジャレに対しても発生し、「何を言っているのか分からない」という拒否感につながりやすい。

 

まとめ

Z世代の「ネタダジャレ(ネオダジャレ)」は、単なる言葉遊びではなく、現代のテキストコミュニケーション環境で発達した新しいコミュニケーションスキルです。

オヤジギャグが持つ

  • 「古い」
  • 「寒い」

といったネガティブなイメージを払拭し、

  • 新しさ
  • 知性
  • 自己表現

を兼ね備えたネタダジャレは、日常の会話にユーモアを加え、教養やセンスを表現する「便利な言語ツール」として機能しています。

ネタダジャレは、Z世代が複雑な現代社会を生き抜くための、テキストの壁を越え、仲間との絆を深め、ネガティブな感情を昇華させるための、賢く、楽しいコミュニケーション戦略です。

 

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1979年生まれの私はX世代で、俗にいうロスジェネの世代です。Z世代が続々と社会人となり、接する機会が増えることで、ジェネレーションギャップを感じることが多くなりました。「最近の若い者は...。」と言ってしまう前に、Z世代に寄り添ってみると、共感できる部分が多々あり、Z世代から学ぶことが多いことに気付かされました。

 閲覧ありがとうございました。

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