【古代中国の禁書】的中率95%の予言書
『推背図』が示す2026年と近未来の運命
ノストラダムスの大予言やマヤ暦の終末論は世界的に有名ですが、東洋にはそれらを凌駕するほどの驚異的な的中率を誇り、歴代王朝によって「禁書」とされてきた古代中国の予言書があります。
それが『推背図(すいはいず)』です。
本記事では、この謎多き書物が一体どのようなものなのか、過去にどのような予言を的中させてきたのかを解説します。さらに、2026年(丙午;ひのえうま)を含む近未来の予言について深掘りし、世界情勢、聖人思想、そして日本に関する衝撃的な予言の深層に迫ります。

推背図とは | 千年の時を超えた予言の構造

『推背図』は、7世紀の唐の時代、太宗(李世民)に仕えた二人の天才的な天文学者・占い師、
李淳風(り・じゅんぷう)と袁天罡(えん・てんこう)
によって編纂されたと伝えられています。
禁書とされた理由と歴史観
この書物が特別なのは、その予言の具体性と的中率の高さにあります。
唐の時代以降の中国の興亡、王朝の交代、戦乱などの歴史的事件を言い当ててきたため、その影響力を恐れた宋の太祖などの皇帝たちによって、民心の動揺を防ぐ目的で厳しく禁じられました。
推背図の根底には、中国の伝統的な歴史循環論があります。
三国志演義の冒頭にある「天下は必ず久しくすれば分かれ、分かれば必ず久しくして合す」という言葉のように、混乱(陰)と治世(陽)が循環するという世界観を描いています。
推背図は、この歴史の大きな流れを60の象(章)に分けて予言しており、その終わりは予言すら不要になる「世界大同」の平和な時代とされています。
推背図の構成要素
推背図は全60象(章)から構成され、各象は下記の4つの要素で一つの予言を形成しています。
| 要素 | 概要 | 特徴 |
| 図(挿絵) | 象徴的なイラスト | 予言の内容を視覚的に表現 |
| 卦(易卦) | 易経の六十四卦の一つ | 予言の持つ運勢や性質を示す |
| 讖(しん) | 4句からなる短い予言詩 | 難解で抽象的な表現が多い |
| 頌(しょう) | さらに詳細を述べる4句の詩 | 予言の具体的な内容を補足 |
これらの詩文は、言葉遊びや隠喩が多用されており、その解釈は事後になって解読されるケースがほとんどです。この曖昧さが、後世の解釈の幅を広げ、また改ざんの温床ともなってきました。
的中例 | 歴史の答え合わせ
推背図の名声を高めたのは、過去の歴史的事象との一致です。
その代表的な的中例を、唐の時代から現代に至るまで時系列で見ていきます。
唐王朝の興亡(第2象〜第9象)
| 象 | 予言内容 | 予言詩のキーワード | 史実との一致 |
| 第2象 | 唐王朝の繁栄と皇帝の数 | 皿の上に21個のすもも(李) | 「李」は唐の皇室の姓。21個は唐の皇帝の数(正統な皇帝20人+武則天など)を指すと解釈。 |
| 第5象 | 女帝・武則天の出現 | 牝鶏司晨(雌鶏が夜明けを告げる) |
史上唯一の女帝である武則天が、唐の国号を「周」に改め、一時的に帝位を奪ったことを示唆。 |
| 第7象 | 安史の乱と楊貴妃の死 | 一隻の鳥が木から落ちる | 楊貴妃の姓「楊」と、安史の乱で彼女が縊死した悲劇的な結末を暗示。 |

異民族の支配と王朝の交代(宋・元・明・清)
| 象 | 予言内容 | 予言詩のキーワード | 史実との一致 |
| 第25象 | 元王朝の成立 | 「一兀」 | 「一兀」を組み合わせると「元」になる。挿絵の鉄斧はモンゴル軍の武力を象徴し、異民族による支配を予見。 |
| 第33象 | 清朝の衰退 | 「一個の女性が扇で火を扇ぐ」 | 清朝末期の西太后が、政治を壟断し、清朝の滅亡を早めたことを暗示。 |
| 第36象 | 辛亥革命と 清朝の終焉 |
一人の男が赤い布を頭に巻く | 辛亥革命で清朝が倒れ、中華民国が成立した歴史的な転換点を予言。 |
近代・現代の激動

| 象 | 予言内容 | 予言詩のキーワード | 史実との一致 |
| 第39象 | 日本の台頭と敗戦 | 旭初昇(旭日初めて昇る) | 大日本帝国の興隆と日中戦争を指すとされる。最終的に日本が敗れることまで記されている。 |
| 第40象 | 国共内戦と台湾への撤退 | 三人の子供が輪を持って遊ぶ | 中国共産党と国民党の内戦、国民党の台湾への撤退を予言したと解釈される。 |
| 第41象 | 文化大革命の混乱 | 帽子をかぶった男が血を流す | 毛沢東による過酷な文化大革命の混乱と犠牲を指すと解釈されている。 |
このように、推背図は中国の歴史における主要な出来事を、その時々で解釈可能な抽象的な表現で、まるで歴史の答え合わせをするかのように言い当ててきたとされています。
現代への予言 | 第43象の「黒兎と青龍」と2026年

多くの研究者は、現在が第42象から第43象のあたりに位置していると考えています。
特に、2023年から2024年にかけて注目されたのが第43象の記述です。
第43象「丙午」の詩文と解釈
第43象は、干支で丙午(ひのえうま)にあたり、干支のサイクルから2026年に対応すると推定されています。
| 要素 | 詩文 |
| 讖 | 君非君 臣非臣(君は君にあらず、臣は臣にあらず) 始艱危 終克定(始めは艱危なるも、終には克く定まる) |
| 頌 | 黒兎走入青龍穴(黒兎走りて青龍の穴に入る) 欲盡不盡不可説(尽くさんと欲して尽くせず説くべからず) 唯有外邊根樹上 三十年中子孫結(三十年中子孫結ぶ) |
「黒兎走入青龍穴」は、干支で年代を読み解く解釈が有力です。
黒兎(癸卯)は2023年、青龍(甲辰)は2024年を指します。
このフレーズは、2023年に始まった何らかの事象や混乱が、2024年にかけて深まり、新しい局面へ突入することを意味すると解釈されます。
2026年(丙午)は、この動乱の後に訪れる年として、第43象のテーマである「祖国統一」、中国と台湾の統一が約30年の歳月をかけて成し遂げられるシナリオの結実期と位置づけられています。
「三十年中子孫結」は、30年のサイクルで一つの時代が結実、世代交代が起こることを示唆しており、2026年が世界的な変革期、東アジア情勢における緊張と変化のクライマックスにあたる時期かもしれません。
近未来の衝撃的な予言 | 日本と世界の運命

2026年以降の近未来を示す予言は、さらに壮大かつ衝撃的な内容を含んでいます。
日本に関する予言 | 第45象と「金烏隠匿」の真意
推背図の未来予言で最も議論を呼ぶのが、日本に関する記述です。
| 象 | 干支(推定) | 予言テーマ | 詩文(一部) |
| 第45象 | 戊申(2028年頃) | 日本の敗北と衰退 | 「金烏隠匿す白洋の中」 |
| 第55象 | 戊午(2038年頃) | 日本の消滅と 文化の吸収 |
日本は沈没し、大部分の日本人は流民となって中国に受け入れられる |
「金烏隠匿す白洋の中」の「金烏(きんう)」は太陽を象徴し、「日出る国」である日本を指すと解釈されます。「白洋」は太平洋です。
- 日本が敗北し、国力が衰退、物理的に沈没して中国に吸収されるという「日本消滅説」
- 「金烏」をアメリカの象徴(ハクトウワシ)と見立て、アメリカの影響力が太平洋から後退し、東アジアのパワーバランスが激変するという「米国衰退説」
この予言は、中国の専門家の間では文字通り「日本という国が地球上から消滅する」予言だと受け止められており、地政学的な緊張の高まりを背景に、その解釈はより過激化する傾向にあります。
世界大戦とハイテクの危機 | 第46象と第56象

推背図は、現代の科学技術の発展がもたらす危機についても予言しています。
| 象 | 予言テーマ | 詩文(一部) | 現代的解釈 |
| 第46象 | ハイテクの危機 | 黯黯陰霾 殺騰騰 萬人不死 一人有慶 | 科学技術の暴走、核兵器、あるいはAIによる世界規模の危機 |
| 第56象 | 第三次世界大戦 | 兵士のいない戦争 | 無人兵器、ドローン、サイバー戦など、人間を介さない戦争の勃発 |
第46象の「萬人不死 一人有慶」は、多くの人が死なずに済むが、ひとりの英雄が危機を救うことを意味します。これは、急速な技術革新がもたらす災禍を、最終的に特定の人物や新しい技術が収束させるという筋書きを示唆しています。
救世主の出現 | 第44象と第57象の「聖人」

混乱の時代を経て、推背図は必ず救世主の出現を予言します。
第44象(丁未 / 2027年頃)「聖人の出現」
頌:「而今中國有聖人 雖非豪傑也周成」
(今、中国に聖人が現れる。豪傑ではないが、国をよく治める)
武力(豪傑)ではなく、徳や知恵によって世を治めるリーダー、新しい指導原理が現れるとされています。これは特定の政治家だけでなく、AIや新しい思想を指すという現代的な解釈もあります。
第57象(庚申 / 2040年頃)「三尺童子」
讖:「物極必反 以毒制毒 三尺童子 四夷讋服」
第三次世界大戦の後に、身長1メートルにも満たない「三尺童子」が現れ、「毒をもって毒を制す」ような特殊な手段で戦争を終結させるとされています。この「三尺童子」は、小型化した量子コンピュータAIや予想外の小さな存在が大業を成すことを象徴しているという解釈が、現代の研究者によって提唱されています。
批判的考察 | 予言との賢い付き合い方

推背図の的中例は魅力的ですが、その信憑性については冷静な視点が必要です。
後付けの解釈と改ざんの歴史
推背図は、長い歴史の中で何度も書き写され、改ざんされた可能性が指摘されています。現在流通しているものは、清の時代以降に手が加えられたもので、過去の的中例は「後付けで修正された」可能性があります。実際、現存する推背図の版本には6種類もあり、内容に相違が見られます。

また、予言の表現は非常に抽象的です。「黒兎」一つをとっても、年号、人物、方角など、解釈は無限に可能です。これが「何にでも当てはまる」というバーナム効果を生み、信憑性を高めている側面もあります。
自己成就予言のリスク

最も恐ろしいのは「予言の自己成就」です。「2026年に大きな出来事が起こる」と多くの人が信じ、行動することで、実際に社会不安や市場の変動を引き起こしてしまうリスクです。予言はあくまで「警告」であり、確定した未来ではありません。
変化の時代をどう生きるか

『推背図』は、中国の悠久の歴史観と予言思想を反映した非常に興味深い書物です。その暗号めいた詩は読む者の想像力を掻き立て、歴史の出来事と照合して「あれこれ当たっているのではないか?」と考える楽しみを与えてくれます。
2026年(丙午)は、推背図が示す「黒兎と青龍の動乱」後に訪れる、「変革と新秩序確立の年」として位置づけられています。

予言に振り回されるのではなく、それを「歴史的・文化的な思考の補助線」として楽しみつつ、現実の変化に対しては冷静に備えることが大切です。未来は定まったものではなく、自分たちの力でより良い未来を築く心構えこそが、現代人の賢い向き合い方でしょう。
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