1350万部突破!【嫌われる勇気 自己啓発の源流 アドラーの教え】 アドラー心理学が世界中で注目される理由!
近年、自己啓発書の中でひときわ輝きを放つ書籍があります。それが「嫌われる勇気 自己啓発の源流『アドラー』の教え」です。日本で2013年に発売されて以来、世界中で翻訳され、累計発行部数は驚異の1350万部を突破しています。
この驚異的な数字の背景には何があるのでしょうか?
本記事では、この世界的ベストセラーについて詳しく紹介していきます。
書籍紹介
「嫌われる勇気」は、岸見一郎氏と古賀史健氏の共著で、2013年12月にダイヤモンド社から出版されました。本書はフロイト、ユングと並ぶ心理学三大巨匠の一人であるアルフレッド・アドラーの思想を、哲学者と青年の対話形式でわかりやすく解説しています。
タイトルの「嫌われる勇気」は、他者からの評価や承認に囚われず、自分の信念に従って生きる勇気の大切さを示しています。この書籍は単なる自己啓発書にとどまらず、人間関係の悩みや生きづらさを抱える現代人に、新しい視点と具体的な解決策を提示しています。
定価は1,650円(税込)、全296ページの書籍で、電子書籍版も発売。
英語タイトルは「The Courage to be Disliked」で、現在では世界31言語以上に翻訳されています。
書籍内容
「嫌われる勇気」は、5つの「夜」に分けられた対話形式の物語として構成されている。哲学者と、人間関係に悩む青年との対話を通じて、アドラー心理学の核心に迫る内容になっています。
第1夜:トラウマを否定せよ
本書では、「トラウマは存在しない」という衝撃的な主張から始まります。アドラー心理学では、過去の出来事自体ではなく、それをどう解釈するかが重要だと説きます。人は「原因」ではなく「目的」に向かって行動しているという「目的論」が紹介されています。
「あなたの不幸は、あなた自身が『選んだ』もの」
この言葉は、自分の人生は自分で選択できるという自己決定性を示している。
第2夜:すべての悩みは対人関係
アドラーは「すべての悩みは対人関係の悩みである」と断言する。劣等感は客観的な状況ではなく、主観的な思い込みであり、人生は他者との競争ではないと主張しています。
「お前の顔を気にしているのはお前だけ」
他人がどう思うかを過度に気にする必要はなく、むしろそれは自由を奪うものだと説いています。
第3夜:他者の課題を切り捨てる
「課題の分離」という重要な概念が登場します。自分の課題と他者の課題を明確に区別し、他者の課題に過度に介入せず、自分の課題に集中することの大切さを説いています。
「『あの人』の期待を満たすために生きてはいけない」
承認欲求から自由になることで、真の自由を手に入れる道が開かれます。
第4夜・第5夜:共同体感覚と貢献
後半では「共同体感覚」という概念が中心となる。他者と協力し、社会に貢献することで生まれる所属感と充実感こそが幸福の源泉だとアドラーは説きます。
「世界の中心はどこにあるか」
自分が世界の中心ではなく、他者と共に生きる世界の一部であることを理解することの大切さが強調されます。
著者について
岸見一郎
1956年、京都生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学(西洋古代哲学史専攻)。専門の哲学(西洋古代哲学、特にプラトン哲学)と並行して、1989年からアドラー心理学を研究。アドラー心理学の日本における第一人者として知られる。
古賀史健
1973年、福岡県生まれ。出版社勤務を経て1998年に独立。ライター・編集者として活動。一般誌やビジネス誌、書籍のライティング・編集を中心に活動している。岸見氏のアドラー心理学の知識と、古賀氏のライティングスキルが合わさり、難解な心理学を分かりやすく伝える「嫌われる勇気」が誕生した。
書籍がヒットしている理由
「嫌われる勇気」が世界的なベストセラーとなった理由があります。
対話形式のわかりやすさ
本書は哲学者と青年の対話形式で進むため、難解な心理学の概念が具体的な会話を通して理解しやすくなっています。ストーリー性があるため、読み進めやすいという特徴があります。
普遍的な人間の悩みに応える
人間関係の悩み、承認欲求、自己肯定感の低さなど、現代社会で多くの人が抱える普遍的な問題に対して、明確な答えを提示しています。特に「すべての悩みは対人関係の悩みである」という視点は、多くの読者の心に響きます。
実践的なアドバイス
単なる理論書ではなく、日常生活で実践できる具体的なアドバイスが含まれています。「課題の分離」の概念は、すぐに実生活に適用できます。
時代を超えた普遍性
アドラーの思想は100年近く前に生まれたものですが、現代社会においても十分に通用する普遍性を持っています。SNS時代の承認欲求や比較の中で生きる現代人にとって、アドラーの教えは新鮮でありながら、深い共感を呼ぶ内容になっています。
世界中の「生きづらさ」に応える
日本から始まり、韓国、中国、台湾などのアジア圏だけでなく、欧米諸国でも大ヒットしている背景には、現代社会における「生きづらさ」が国境を超えた共通課題になっています。アメリカでも35万部、ドイツでは67万部を超える売り上げを記録しています。
「嫌われる勇気」を実践するためのヒント
「嫌われる勇気」の教えを日常生活で実践するためのヒントをいくつか紹介します。
- 課題の分離を意識する:「これは誰の課題か?」と自問し、他者の課題に過度に介入しない
- 目的論で考える:「なぜこの行動をとるのか?」という目的を意識する
- 承認欲求を手放す:他者からの評価ではなく、自分の基準で行動する
- 共同体感覚を育む:他者との協力や社会への貢献を通じて幸福を見つける
- 「今、ここ」に生きる:過去や未来ではなく、今この瞬間の選択に集中する
「嫌われる勇気」は、読むだけでなく実践することで初めて真の価値が生まれます。自分の人生を変えたいと思う方は、アドラーの教えを日常に取り入れてみてはいかがでしょうか。
口コミと評判
「嫌われる勇気」は多くの読者から高い評価を得ている。主な口コミを見てみよう。
- 「人生観が変わった。他人の期待に応えるのではなく、自分の人生を自分で選択することの大切さを学んだ」
- 「難しい心理学の概念がとても分かりやすく書かれている。何度も読み返したい本」
- 「課題の分離という考え方だけでも、読む価値がある。人間関係のストレスが大幅に減った」
一方で、「トラウマは存在しない」という表現に違和感を覚える読者もいる。実際には、アドラーは過去の出来事自体を否定しているのではなく、それをどう解釈し活用するかという点を強調しています。このような誤解も生じていますが、多くの読者にとって人生を変える一冊となっています。
アルフレッド・アドラーについて
アルフレッド・アドラー(1870-1937)は、オーストリア出身の精神科医・心理学者。フロイト、ユングと並んで「心理学の三大巨頭」と称される。
当初はフロイトの弟子であったが、のちに独自の理論を展開し、「個人心理学」を創始した。フロイトが無意識や性的欲求を重視したのに対し、アドラーは社会的関心や目的意識を重視した。
アドラーは第一次世界大戦後、ウィーンで子どもの指導相談所を開設し、実践的な心理学の普及に努めた。1935年にはアメリカに移住し、講演活動を続けながら1937年に亡くなった。
アドラーの思想は、人間の平等、協力、社会的関心の重要性を強調し、後の人間主義心理学や認知行動療法に大きな影響を与えた。
アドラー心理学について
アドラー心理学(個人心理学)の基本的な考え方を紹介します。
目的論
フロイトが「原因論」(過去の経験が現在の行動を決定する)を主張したのに対し、アドラーは「目的論」を提唱した。人間は過去に「原因」があって行動するのではなく、未来の「目的」に向かって行動すると考えた。
劣等感と優越性の追求
アドラーは、すべての人間が劣等感を持つと考えた。しかし、劣等感は克服すべき否定的なものではなく、成長の原動力になりうるものだと説いた。人は劣等感を克服し、優越性(より良い状態)を追求することで成長する。
共同体感覚
アドラー心理学において最も重要な概念の一つ。他者との協力、社会への貢献、所属意識を意味する。真の幸福は、他者との協力と社会への貢献から生まれると説く。
課題の分離
自分の課題と他者の課題を明確に区別することの重要性。他者の課題に過度に介入せず、自分の課題に集中することで、人間関係のストレスが軽減される。
勇気づけ
アドラー心理学では、人を励まし勇気づけることを重視する。批判や罰ではなく、勇気づけによって人は成長すると考える。
フロイト、ユングの心理学について
アドラーと並ぶ「心理学の三大巨頭」であるフロイトとユングの心理学について簡単に紹介します。
フロイトの精神分析
シグムント・フロイト(1856-1939)は精神分析の創始者として知られる。
主な特徴
- 無意識の重視:人間の行動は無意識によって大きく支配されていると考えた
- 性的エネルギー(リビドー):人間の行動の源泉は性的エネルギーであると主張
- 心の三層構造:イド(本能)、自我(現実原則)、超自我(道徳的規範)という三層構造
- 原因論:過去のトラウマや抑圧された欲求が現在の行動を決定すると考えた
ユングの分析心理学
カール・グスタフ・ユング(1875-1961)はフロイトの弟子から独立し、独自の分析心理学を展開した。
主な特徴
- 集合的無意識:個人の経験を超えた人類共通の無意識層の存在を主張
- 元型:集合的無意識に含まれる普遍的イメージやパターン
- ペルソナとシャドウ:社会に見せる仮面(ペルソナ)と抑圧された側面(シャドウ)
- 心理的類型論:内向型/外向型、思考/感情/感覚/直観という心の機能を分類
アドラー、フロイト、ユングの心理学の相違点
三大心理学者の理論には、下記のような顕著な違いがあります。
基本的なアプローチ
- フロイト:原因論(過去の経験が現在を決定する)
- アドラー:目的論(未来の目的に向かって行動する)
- ユング:象徴論(心の深層に潜む普遍的なシンボルを重視)
無意識の捉え方
- フロイト:個人的な抑圧された欲求や記憶の集積
- アドラー:無意識よりも意識的な目的や選択を重視
- ユング:個人的無意識と人類共通の集合的無意識の二層構造
人間の本質
- フロイト:性的・攻撃的本能に駆動される存在
- アドラー:社会的存在として協力と貢献を通じて成長する
- ユング:自己実現を目指し、対立する心の要素を統合する存在
治療のアプローチ
- フロイト:抑圧された無意識を意識化することによる洞察
- アドラー:誤った信念の修正と社会的関心の育成
- ユング:心の全体性の回復と自己実現のプロセス
まとめ
「嫌われる勇気」は、アドラー心理学を通して、現代社会における生きづらさや人間関係の悩みに対する新しい視点を与えてくれます。「課題の分離」「目的論」「共同体感覚」といった概念は、読者が自分の人生を主体的に生きるためのヒントになります。
発売から10年以上経った今でも世界中で読み継がれ、すでに1350万部を突破したというのは、この書籍の普遍的な価値を証明しています。SNSの発達により他者との比較や承認欲求が強まる現代社会において、アドラーの「他者の評価に囚われない」という教えは、多くの人の心に響いている。
「嫌われる勇気」は単なる自己啓発書ではなく、人生の指針となる哲学書の側面もあります。「人は変われる」「今、ここから人生は始まる」というメッセージは、希望と勇気を与えてくれます。
嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え
幸せになる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教えII
「幸せになる勇気」は、「嫌われる勇気」から3年後の物語として描かれています。教育者となった青年が「アドラーを捨てるべきか否か」と苦悩して、再び哲人を訪ね、対話を通じてアドラー心理学の真髄を学んでいく展開となっています。
本書のテーマは「ほんとうの自立」と「ほんとうの愛」。「どうすれば人は幸せになれるか」という問いに対して、アドラー心理学の視点から答えを提示しています。
- 第1部:悪いあの人、かわいそうなわたし
自立の意味や尊敬の本質について考察 - 第2部:なぜ「賞罰」を否定するのか
教育における賞罰の問題点と、問題行動の真の目的について探求 - 第3部:競争原理から協力原理へ
「ほめて伸ばす」教育の限界と、協力の大切さを説く - 第4部:与えよ、さらば与えられん
信頼と貢献の重要性、与えることの意義について掘り下げる - 第5部:愛する人生を選べ
真の愛とは何か、自立と愛の関係性について考察
「嫌われる勇気」との関係
「嫌われる勇気」が「他者からの評価に囚われない生き方」を主に論じたのに対して、「幸せになる勇気」では「与えること」や「愛すること」に焦点が当てられています。「嫌われる勇気」が「自由になるための哲学」なら、「幸せになる勇気」は「幸せになるための実践」というべき内容です。
アドラーの言う「人生最大の選択」とは、「愛する人生を選ぶこと」だと本書では説いています。見返りを求めない「与える愛」が真の幸福につながるとされ、自己受容、他者信頼、他者貢献という「幸せの三原則」を実践することの大切さが強調されています。
世界的評価
「嫌われる勇気」と「幸せになる勇気」は合わせて「勇気シリーズ」と呼ばれ、世界中で翻訳出版されています。両書合わせて、多くの読者の人生観に影響を与え続けています。
「幸せになる勇気」では、アドラー心理学の「自立」「愛」「貢献」といった概念がより深く掘り下げられており、「嫌われる勇気」と合わせて読むことで、より完全なアドラー心理学の全体像を理解することができます。
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