【GLM-5がClaudeに迫る】
オープンソース最強モデル登場!
2026年2月に中国のZhipu AIが最新モデル「GLM-5」を発表しました。
このモデルは、プログラミング能力とエージェント機能において、オープンソースモデルとして世界最高水準(SOTA;State-of-the-Art)の性能を達成し、業界で大きな話題になっています。
GLM-5の登場は、モデルのアップデートに留まらず、オープンソースAIモデルでClaude Opus 4.5のような最先端プロプライエタリモデルに匹敵する性能を達成したという、歴史的な瞬間なのです。特にプログラミングとエージェント機能の分野において、GLM-5は実用レベルで活用できる強力なツールとして注目を集めています。
そこで本記事では、GLM-5の特徴、技術仕様、性能ベンチマーク、その実力について解説します。
参考:【GLM-5】バイブコーディングからエージェントエンジニアリングへ
Ever wondered what researchers at https://t.co/IQMnfBczAT are really like? We handed them the mic and let them show you what GLM-5 can do. pic.twitter.com/1XwZSaJm3d
— Z.ai (@Zai_org) February 12, 2026

GLM-5とは?
GLM-5は、Zhipu AIが開発した最新の大規模言語モデル(LLM)です。
「GLM」という名前は「General Language Model」の略で、汎用的な言語理解と生成能力を追求するモデルとして位置付けられています。GLM-5は、前身であるGLM-4.5から大幅な進化を遂げ、プログラミング能力と自律的なタスク実行が可能なエージェント機能において飛躍的な向上を達成しました。
このモデルの最大の特徴は、オープンソースモデルとして公開されている点で、研究者や開発者が自由にモデルをダウンロードし、ローカル環境で動かしたり、改良したりすることができます。これは、プロプライエタリなAPIサービスとしてのみ提供されているClaudeやGPTシリーズとは大きく異なり、AI技術の民主化という観点から非常に重要な意義を持ちます。
GLM-5の技術仕様は、前世代モデルと比較して大幅なスケールアップが図られています。
| 項目 | GLM-5 | GLM-4.5 |
| 総パラメータ数 | 744B | 355B |
| 活性化パラメータ | 40B | 32B |
| 事前学習データ | 28.5T トークン | — |
| アーキテクチャ | MoE + DeepSeek | MoE |
GLM-5は744B(7440億)の総パラメータを持ちながら、推論時には40B(400億)のパラメータのみを活性化するMoE(Mixture of Experts)アーキテクチャを採用しており、大規模モデルの知識容量を維持しながら、効率的な推論が可能となっています。さらに、DeepSeekのSparse Attentionを統合することで、計算効率と性能の両立を実現しています。
特筆すべき点として、GLM-5はHuawei AIチップを用いて学習されています。これは、米国の輸出規制下でも最先端のAIモデルを開発できることを示す重要なマイルストーンであり、AI開発における技術的主権の確保という観点からも注目されています。
GLM-5の特徴
圧倒的なプログラミング能力
GLM-5の最も優れた特徴は、卓越したプログラミング能力です。公式発表によれば、GLM-5のプログラミング能力はClaude Opus 4.5と同等レベルに達しており、オープンソースモデルとして初めてこの領域でプロプライエタリモデルに匹敵する性能を実現しました。開発環境での使用感もClaude Opus 4.5に迫る体験を提供していると評価されています。
- コード生成
- デバッグ
- リファクタリング
といった基本的なプログラミングタスクだけでなく、
- 複雑なシステムエンジニアリング
- バックエンドの再構築
- 深層デバッグ
といった高度なタスクも自律的に実行できます。前世代のGLM-4.7と比較して、プログラミング関連タスクの性能は20%以上向上しており、実用的な開発支援ツールとしての価値が飛躍的に高まっています。
高度なエージェント機能
GLM-5のもう一つの大きな特徴は、エージェント機能の大幅な強化です。
「エージェント機能」とは、AIが質問に回答するだけでなく、
- 目標を設定し、
- 計画を立て、
- ツールを使用し、
- 長期的なタスクを自律的に実行する
能力を指します。
GLM-5は、Agentic長期計画と実行を、人の手を介さず完了できる能力を備えています。
例えば、複雑なソフトウェア開発プロジェクトを任せた場合、要件の分析から設計、実装、テスト、デバッグまでを一貫して実行できます。外部ツールやAPIとの連携も強化されており、ワークフローに統合しやすい設計になっています。これは、AIアシスタントをチャットボットからデジタルワーカーへと進化させる重要な要素です。
マルチモーダル対応
GLM-5はテキストだけでなく、音声や映像といったマルチモーダル入力にも対応しています。特に注目されるのは、リアルタイムのビデオ通話機能で、最大2分間の通話記憶を保持できます。これにより、音声対話を通じたコーディング支援や、画面共有しながらの技術サポートなど、より自然でインタラクティブなユーザー体験が可能になります。
マルチモーダル対応は、AIモデルの実用範囲を大きく広げます。テキストベースのやり取りが苦手なユーザーでも、音声や映像を通じてAIの恩恵を受けられるようになり、より幅広いシーンでの活用が期待できます。
GLM-5のベンチマーク性能
GLM-5の性能を客観的に評価するため、複数のベンチマークテストの結果を見てみましょう。
Intelligence Index
Artificial Analysisが提供するIntelligence Indexでは、GLM-5は50点を記録し、オープンウェイトモデルとして首位に立ちました。これは前世代のGLM-4.7が記録した42点から8ポイントの大幅な向上です。この指数は、複数のベンチマーク結果を統合した包括的な性能指標であり、GLM-5がオープンソースモデルとして最高水準にあることを示しています。
HLE Reasoning Benchmark
高度な推論能力を測定するHLE Reasoning Benchmarkでは、GLM-5は30.5点を記録しました。これはClaudeシリーズのモデルを上回るスコアであり、特に複雑な論理的推論や問題解決能力において高い水準にあることを示しています。推論能力は、プログラミングやエージェント機能の基盤となる重要な要素であり、この結果はGLM-5の実用性を裏付けるものです。
プログラミングベンチマーク
Zhipu AIの内部評価であるCC-Bench-V2において、GLM-5はGLM-4.7を大きく上回る結果を示しました。フロントエンド開発、バックエンド開発、長期タスクのすべてのカテゴリで向上が見られ、特に複雑なシステム開発タスクでの改善が顕著でした。また、SWE Rebenchのような標準的なソフトウェアエンジニアリングベンチマークでも、GLM-4.7の51.3%を大きく上回る結果を残しています。
On our internal evaluation suite CC-Bench-V2, GLM-5 significantly outperforms GLM-4.7 across frontend, backend, and long-horizon tasks, narrowing the gap with Claude Opus 4.5. pic.twitter.com/0z3RWvevQ7
— Z.ai (@Zai_org) February 11, 2026
GLM-5のコストパフォーマンス
GLM-5のもう一つの大きな魅力は、圧倒的なコストパフォーマンスです。Claude Opus 4.5の80〜90%の性能を、わずか約10分の1のコストで提供できると言われています。これは、大量のAPIが必要な環境やコスト制約のあるプロジェクトにおいて、非常に大きな意味を持ちます。
例えば、1日あたり数百万回のAPI呼び出しが必要なサービスを運営する場合、Claude Opus 4.5を使用するよりもGLM-5を使用することで、月額のコストを大幅に削減できます。性能の低下は限定的であり、多くのユースケースでは許容範囲内です。この経済性は、AI技術の普及と民主化を加速させる重要な要素もなるでしょう。
GLM-5の利用方法
GLM-5は下記の方法で利用可能です。オープンソースモデルとして公開されているため、様々な形でアクセスできます。
- Hugging Face:モデル名「zai-org/GLM-5」として公開されており、誰でもダウンロードして使用できます。研究目的や独自のアプリケーションへの組み込みなど、柔軟な活用が可能です。
- GitHub:「zai-org/GLM-5」リポジトリでコードとドキュメントが公開されています。使用方法の詳細や、ファインチューニングの手順なども確認できます。
- API:Zhipu AIの公式APIサービスを通じて、クラウドベースでの利用も可能です。自分でインフラを用意することなく、手軽にGLM-5の能力を活用できます。
- クラウドプラットフォーム:Zhipu AIをはじめ、複数の主要クラウドプラットフォームがGLM-5に対応しています。既存のクラウドインフラと統合して利用することも可能です。
GLM-5の意義
GLM-5の登場は、AI業界において重要な意味を持ちます。
第一に、オープンソースモデルがプロプライエタリモデルに匹敵する性能を達成したことは、AI技術の民主化にとって大きな前進です。これまで、最高性能のAIモデルは一部の大手企業がAPIとして独占的に提供してきましたが、GLM-5の登場により、誰でも最先端のAI技術にアクセスできる時代が近づいています。
第二に、プログラミングとエージェント機能への特化は、AIモデルの実用化の方向性を示しています。「賢いチャットボット」を作るのではなく、仕事を代行できる「デジタルワーカー」としてのAIを追求するという明確な戦略が見て取れます。これは、AIのビジネス活用を考える企業にとっても重要なヒントとなります。
第三に、中国製チップのみでの学習成功は、技術的主権の確保という観点から重要です。地政学的な制約下でも最先端技術を開発できることを示したことは、グローバルなAI競争の構造に影響を与える可能性があります。特に、AI開発におけるハードウェアとソフトウェアのエコシステム構築において、新たな選択肢が生まれたと言えるでしょう。
まとめ
GLM-5は、オープンソースAIモデルが新たな高みに達したことを示す象徴的な存在です。特にプログラミング能力とエージェント機能において、Claude Opus 4.5のような最強クラスのプロプライエタリモデルに匹敵する性能を実現しました。744Bパラメータという大規模なモデルながら、効率的な推論を可能にするMoEアーキテクチャと圧倒的なコストパフォーマンスを両立させています。
開発者や研究者にとって、GLM-5は非常に魅力的な選択肢です。オープンソースとして自由に利用でき、ローカル環境で動かしたり、改良したりすることができます。API利用の場合でも低コストで享受できます。AIを活用したアプリケーション開発やAI技術の研究において、GLM-5は有力な候補になるでしょう。
AI技術の進化は目覚ましく、明日にはさらに優れたモデルが登場するかもしれません。しかし、GLM-5が示した「オープンソースでも最高性能を実現できる」という証明は、AI技術の民主化と普及にとって重要なマイルストーンとして、長く記憶されることでしょう。
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閲覧ありがとうございました。
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