三国志 第一話⑧ 曹孟徳という漢(おとこ)
「黄巾賊は草地に陣取っておる。火攻めにしようではないか!」
皇甫嵩は朱儁と語らい、兵士たちを潜伏させた。
その夜は強風が吹き起こったため、夜更けを待って一斉に火を放ち、両諸将は兵を率いて賊陣に攻め込んだ。
燃え広がる炎に賊兵たちは慌てふためき、武器防具を放り出して逃げ去った。
張梁と張宝は残兵をかき集めて、命かながら落ちのびていくと、真赤な旗を立てた一隊の軍勢が現れて退路を遮った。
陣頭に馬を乗り出した大将こそ、騎都尉の曹操である。
祖父は中常侍曹騰、夏侯氏から養子となった曹嵩を父に持つ。
権謀術策に長け、機知に富んだ曹操はかつて、橋玄や何顒から人物を認めらていた。
許劭のもとを訪れた曹操は、
「そなたは、治世に至っては能臣、乱世に至っては奸雄じゃ!」
と評価され、喜んだ。
二十歳の時、孝廉に挙げられて郎官となり、洛陽の北都尉に任ぜられた曹操。
県令を歴任した後、黄巾の叛乱で騎都尉となり、歩騎兵5千を率いて潁川へ加勢に馳せつけた。
敗走している張梁と張宝を縦横に攻め立て、一万もの首級を挙げ、皇甫嵩と朱儁に見参した。
その後、張梁らを追って行った。
一方の劉備らは、潁川に入り、火計の明かりに兵を急がせ、皇甫嵩と朱儁のもとへ向かった。
「張梁らは打ち破れて敗走した。やつらは広宗の張角を頼って行くに違いない。」
そう言われた劉備らは、軍勢を率いて、広宗へ取って返すことになった。
途中まで来ると、向こうから一群の人馬が囚人車を護送してやって来る。
進軍を止めた劉備は驚いた。
護送されている囚人は、盧植であった。
「盧植先生!」
劉備は仰天して馬から飛び下り、盧植のもとへ駆け寄った。
盧植先生にいったい何が起きたのだろうか?
第一話⑨
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