第17話 アイツからのメールを眺めて!
今の私には、自分のために時間を使うことができる。
しっかり休養して、心身の健康を取り戻すための時間。
会社を辞めて、自立するための準備をする時間。
時間があるが故に、ちょっとした余白時間に、アイツのことをついつい考えてしまう。
アイツからのメールを眺めながら。
どんなかたちでも構わない、アイツからの返事が欲しいと願い、2ヶ月が経った。
そして、2024年の年明けを迎えた。
新年早々から、地震や事故という暗いニュースから始まった2024年。
いったいどんな一年になるのかと、不安な気持ちが湧いてしまう。
自分自身のこともあるが、やはりアイツとのことが気にかかる。
返事を待ちながら、思うことがあった。
そもそも、なぜ連絡をくれたのだろうか?
32年の時が経ち、今頃になって私の連絡先を渡されたアイツ。
アイツは、私のことを憶えていてくれたのだろうか?
私の連作先を受け取ったアイツは、どう思ったのだろう?
何を思って連絡をくれたのだろう?
今更、話すことなんてないと思ったかも知れない。
突然のことで、驚いたかも知れない。
むしろ気分を害して、気持ち悪いとさえ思われたかも知れない。
それでも、アイツは連絡をくれた。
この歳になって、アイツのことが気になり、探偵事務所に探してもらった私。
探偵事務所の話では、浮気調査の次に多い案件が、私のような中年男性からの依頼らしい。
消息不明になったアイツの存在が知りたかった。
SNSで繋がっていた友人も皆、アイツの所在を知らなかった。
しかし、探偵のおかげで、所在を知ることができた。
私は本気で、小学校の同窓会をやりたいと思うようになった。
そして、アイツに逢いたいという気持ちが強くなった。
アイツと同様、Facebookで繋がっている多くの友人は、結婚して家庭を築いている。
SNSを頻繁に出来ない状況もあって、同窓会開催の話は進んでいない。
気になっていることがある。
アイツは、どうも三原で過ごした友人たちと繋がっていないようだ。
- 私がSNSで友人たちと繋がっていること
- 三原で同窓会をやろうとしていること
- 三原の友人と繋がっているか問いかけたこと
- それらをSMSで送って以来、返事が来ていない。
私と違って、三原でのことを良く想っていないのかも知れない。
アイツの所在が分かっただけで、終わってしまうのだろうか。
これから先、アイツと関わることなく、ましてや相見えることはないのだろうか。
そうだとしても、どうしても諦められない気持ち。
かつての奇跡は、もう起きないだろうか?
それが運命だとしたら、私は受け入れることができるだろうか?
これで終わらせたくない。
もしも願いが叶うなら・・・、最後にもう一度だけ逢わせてほしい。
第18話 どうしても叶わない想い!
依頼して良かった。
30年以上前に、離れ離れとなったアイツを探し出してくれた「さくら幸子探偵事務所」
閲覧ありがとうございました。
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中年独身男のお役立ち情報局
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